危急時遺言について
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った方でも遺言を残すことが認められています(民法976条)。
要件は下記の通りです。
①遺言者が死亡の危急に迫られていること
②証人3人以上の立会いがあること
③遺言者が証人の1人に遺言の趣旨を口授すること
④口授を受けた証人がこれを筆記すること
⑤遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させること
⑥各証人が筆記が正確なことを承認した後、署名押印すること
⑦遺言の日から20日以内に、証人の1人又は利害関係人(推定相続人や受遺者等)から家庭裁判所に請求して確認を得ること
危急時遺言は危急時の特別な場合に認められたもののため、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時(死亡の危急を脱したとき)から6ケ月間生存するときは、効力が生じません(民法983条)。
証人の資格については、未成年者、推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族、公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び使用人がなることはできません(982条、974条)。
危急時遺言では公証人が関わることはないでしょうから、公証人の配偶者などはあまり考慮しなくてもいいかと思います。
また、口授を受けた証人がこれを筆記することとありますが、自筆証書遺言のように手書きである必要はなく、パソコン等を使用して作成できます。
なお、危急時遺言は、家庭裁判所への確認の他に検認の手続が必要です(民法1004条)。
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