後見制度支援預金について
後見制度支援預金とは、平成29年からスタートした、ご本人の生活費等に必要な金銭を預貯金等として後見人が管理し、それ以外の通常使用しない金銭を後見制度支援預金口座に預け入れ、ご本人の財産保護を図るものです。支援預金口座に入出金等する際は、あらかじめ裁判所が発行する指示書が必要となります。
後見制度支援預金と似た制度に後見制度支援信託があります。比較すると別表のとおりです。制度としては非常に似ていますが、後見制度支援信託は下記のようなハードルがありました。
①大手の金融機関や信託銀行等、取扱金融機関が限定的であり、地方では利用できないことがあった。
②信託するに際して、最低信託金額が設定されており(銀行が設定している金額)、まとまった流動資産を持っていない方は利用できない
③信託開始時のコストや信託報酬等の手数料がかかる(利用時に弁護士等の専門職の選任
の必要性)
別表
|
後見制度支援預金 |
後見制度支援信託 |
利用対象 |
成年後見および未成年後見 ※保佐・補助・任意後見は 対象外 |
同 左 |
取扱金融機関 |
信用金庫・信用組合・都市銀 行・地方銀行の一部 |
都市銀行・信託銀行等 |
対象財産 |
現金のみ |
同 左 |
入出金の手続 |
家庭裁判所の指示書による |
同 左 |
これらの課題を解決するために制度化されたのが後見制度支援預金です。
つまり、
①地域に密着した信用金庫や地方銀行の一部でも対応可
②最低預入金額の制限がないので、保全したい財産を預入可
③支援預金の利用時に、専門職の選任を要さないケースが多く、選任がない場合は手間と費用が省ける
静岡や東京の一部ではすでに利用がスタートしていますが、神奈川や横浜でどのように制度が普及していくかは今のところ不明です。
親族後見に限らず、専門職後見人がご本人の代理人として就任した際も、さらに言えば、保佐や補助、任意後見でも利用できるようにすると、より安心して後見制度を利用できるのではと考えています。
コメントをお書きください